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zoom RSS Days299 「月光 −M−」 美勇起 12月25日

<<   作成日時 : 2005/12/19 21:19   >>

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今、君に伝えたくて、光を集めて、心に描く想いは…。

時計の針があと少しで重なる。そろそろ、月が昇る頃だろう。

ぼくは昔から、月を見るのが好きだった。月は日々、形を変えてゆく。満ち欠けとも言うので永遠というものを求める人にとっては、あまり好まれないようだ。果たして、永遠というものがこの世にあるのだろうか? 人の気持ちも、姿も、時を経て変わってゆくものだからこそ、美しく愛おしいのではないだろうか? その日見えた、その月が来年の今日、同じ時刻に同じ形で見られることはない。だから、ぼくは今、この瞬間が愛おしい。もし、どこかでぼくと同じ月を見ている人がいたら……その人が愛おしく、運命的なものすらを感じてしまう…。
「寒くないの?」
ベランダでパジャマの上にカーディガンをはおっただけの姿で、飽かずに夜空を眺めているぼくに母が声をかける。
「もう、入るよ」
「ホットミルクいれたけど、飲む?」
「うん、ありがとう……」
白い湯気がのぼるカップを母の手から受け取る。冷たく、堅くなっていた指先がその温もりでほどけてゆく。
「まだ、起きているの?」
「うん、これ飲んだら、寝る。いいよ、母さん、先に休んで…」
久しぶりにあんな華やかな場所に出たのだ、疲れているに違いない。
「今夜は冷えるから、寒くないようにしなさいね」
ぼくのカーディガンの前を合わせる。この人にとっては、ぼくはいくつになっても、ずっと子供のままなのだろう。
「何?」
「……うぅん、いいの……」
確かに母は何かを言いかけた。が、すぐに言葉を飲み込み「おやすみなさい」と、ぼくの部屋へ消えていった。

母がここに来てから、ぼくは晴のいた部屋で寝ている。彼を思い出させるものは、何ひとつない。それが心地よくもあり、少し、さみしくもあった。だけど、それも今夜で最後。明日の夜は違う場所で月を見ることになる…。


ぼくの止まっていた時計を動かしたのは彼だった。
ぼくらはまるで、時計の長針と短針のようだった。
追いついたと思ったら、いつの間にか追い越し、
やっと重なる時がきたと思ったら、また、すぐに離れ…。
でも、それは、仕方がない。
長針と短針が重なりつづけるには、時を止めるしかないのだから……。


部屋の時計の長針と短針が重なった。この瞬間、ぼくは、ひとつ、歳を重ねた。
今日は12月25日。ぼくの22回目の誕生日だ。
あぁ、そうか…。母はぼくに「おめでとう」を言いたかったのかもしれない。
でもそれを遠慮したのは、一番先に誰にそれを言ってもらいたいのかが、わかっていたからかもしれない……。


今夜の月はLast Quarter、下弦の月だ。
右半分が欠けた形は、まるで、今のぼくのようだ…。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ミユ、お誕生日オメデトウ・・・。
桜も心からお祝いするね♪
でも・・・彼はきっと忘れてないと思うよ。
・・・っていうか知ってんの?(爆)

月光 桜の好きな曲のひとつだよ♪ベストセレクションにも入れてあるもん♪いい歌だよね★(みんないいけどね)

2005/12/19 21:25
どうも、ありがとうございます…。
晴が知らないわけないじゃな〜い♪彼なりにいろいろ考えてるみたい。
うん、これいい曲だよね〜。私もMyベストの中に入れてあります。『ISM』にこの曲が入っていた時、とてもうれしかったです♪
Rain
2005/12/19 21:35

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