新宿セブンが面白い  3

こちらはKAT-TUN上田竜也さんを応援しているブログです。
初主演ドラマ24「新宿セブン」好評放送中です。ドラマを盛り上げ、上田さんを応援し、KAT-TUNの早期活動につながるよう、ここで「新宿セブン」の感想を不定期にあげてゆきたいと思います。

第3話はハッピーエンド、わかりやすく単純な物語であった。それでも安っぽい仕上がりにならなかったのはどのシーンも実に丁寧に描かれていたことにあると思う。テンポよく話は進みつつも実はいくつものシーンが複雑に交錯している。そう感じさせないのはそれらをつなぐ「キーワード」を説明台詞ではなく印象的な映像と台詞で表現しているからだろう。

伝説のキャバ王(福富)はもう間もなく「死」を迎えようとしている。その対極にあるのが冒頭に登場する「生まれたばかりの赤ん坊」だ。しかもこの赤ん坊は後に伝説の鑑定士(七瀬)と呼ばれるようになる。30数年前に新宿の路地で出会っていた「伝説のキャバ王」と「伝説の鑑定士」が時を経て、同じ新宿で顔を合わせたのも「何か引き寄せられる意味(第2話七瀬の台詞より)」によるものか。

30数年前の福富には”はな”という娘がいる。つまり彼も父親なのだ。血で胸元を染めながら赤ん坊を抱えて逃げる男に「大丈夫ですか?」と声をかけずにはいられなかったに違いない。
「生」と「死」「伝説と呼ばれた男・呼ばれる男」「父親」冒頭のシーンだけで第3話のキーワードがこれだけ含まれている。今後もこの冒頭の映像は(入るのかどうかは定かではないが)見逃せない。時間を遡っているようなのでここで描かれる過去を見て視聴者は「彼」を鑑定せよ・・・と、いうことか?

七瀬は赤ん坊の自分を抱えて逃げ、共に放浪した男(セン)を「父親」と呼んでいたが「生みの親」なのか「育ての親」なのか、真偽のほどはまだわからない。ひょっとしたら七瀬自身がチャイニーズマフィアの跡取り息子という可能性が無きにしも非ず(笑)


ところで福富と七瀬が骨董品のグラスに入ったウォッカを飲み比べる場面。「矛盾」に気付いた方も多いと思う。ずらりと並んだグラスの中のひとつに贋作があり、しかもそこには青酸カリが混入されている。しかし福富はどれが贋作なのかはわからないという。

では一体、誰が贋作のグラスに青酸カリを入れたのだろうか?

ちなみに原作では「青酸カリをいれさせた」ことになっている。

そんなことどうだっていいのだ!



なぜならそれを凌駕する深いドラマがこの場面にはあるのだ。


福富は初めからどのグラスに青酸カリが入っているのかわかっていて七瀬に勝負を仕掛けた。
ようするになんだかんだ言いながら福富は独りで死ぬのが怖かったのだ。エルドラドに来たのもここに来れば噂の七瀬に逢えると思ってのことだろう。七瀬の胆力を見極めた福富は死に水をこの男に取ってもらおうと思ったに違いない。(なおその死に水は伝説のキャバ王らしくウォッカ)
七瀬は何もかもわかったうえで勝負にのった。自分に関わりがあることを記された手帳を手にいれたい気持ちもあっただろうが福富の娘が到着するまでの時間稼ぎをしたかったのではないだろうか。
結果、「伝説キャバ王」としての「死に水」を取ったのは「伝説の鑑定士」となる。そしてこれは赤ん坊の自分と父親(仮)を見逃し、追っ手から「救って」くれた福富を七瀬が孤独死から「救って」やる物語につながるのだ。

えぇ話やないかい!



「過去を知らなきゃ鑑定はできない」
七瀬は自分自身に向かってつぶやいているのかもしれない。シノブの店に通うのも餃子の味に惹かれているだけでなく、古くからこの街にいる彼女の元に居れば何か手がかりが見つかるかもしれないと藁にもすがる思いからではないか?自己の存在の根本的な部分が欠落している七瀬を支えているのは「世界一の鑑定士」という自負だろう。

七瀬もずっと孤独だったのだ。

彼はその孤独を愛せるので悲観的ではない。それでも自分を慕ってくれる人間、ちょっとした甘えを赦してくれる人間が傍にいることの心地よさに気付きはじめている。今回七瀬のそういったいい意味での「甘さ」を感じられるようになっていた。それが七瀬をよりチャーミングに描くこととなり、七瀬ファン(上田竜也ファン)は深夜のメロメロが止まらなくなるのである。どんなに隠そうとしても(隠しても)薫るのがその人の「個性」であり「魅力」である。
七瀬のチャーミングさは上田竜也の持つ「個性」であり「魅力」なのだ。

七瀬はモノの価値がわかる男なのでおそらく今後もセンスの良い物をさらりと身に付けて登場するだろう。スタイリッシュな身体でそれらを着こなす上田竜也の姿が毎週観られるのだ。七瀬ファン(上田竜也ファン)は深夜のニヤニヤも止まらなくなるのだ。

さてここで他の人物(共演者)についてもちょっとだけ触れておきたい。

健太(中村倫也)から時々出るおネエ口調(「どうしてそんなこというのかしら?」「やっぱりいくのね」)、真っ当なツッコミがたまらなく好き。絶妙のタイミングで返してくるので可笑しさ倍増である。
艶をつけた外連味たっぷりの七瀬(上田の演技)と、素のまま自然体の健太(中村倫也氏の演技)が好対照をなしている。バディ物はこうでなくちゃ。

華(大野いと)のどこかおどおどした口調から「自分が何者かわからない」不安と「真実を知るの恐怖」がよく伝わってくる。

栞(家入レオ)の「こんな子おるわ」感も抜群(←褒めています!)第二話で華から「私にあったことないですか?」と問われたときの「えー?ないと思うけどどうして?」の返し方があまりにもリアルでツボったのでここだけ何度か繰り返し観てしまったほどである。

シノブ(夏木マリ)はさすがとしかいいようがない。短髪に派手なTシャツにパンツという姿でありながらも「歌舞伎町の女王」ただ者ではない感が漂っている。時々、チャイニーズ風の発音になるところを見ると、彼女も物語の謎を解くヒントを握っているひとりかもしれない。

エリカ(野波真帆)彼女と七瀬の夫婦じゃないけど夫婦漫才師のようなノリがいい。たぶんふたりは歌舞伎町を生き抜くための戦友でもあるのだろう。

近藤刑事(田中哲)外連味という点では近藤も七瀬に負けていない(笑) 彼が追っている事件と七瀬の目的が合致したとき、ここもバディになるのだろうか?

新宿セブン。物語も登場人物もとても丁寧に描かれている。キャストはもちろん、制作スタッフの愛情を感じられる作品だと思う。

だから新宿セブンは面白い!