あらすじ【一幕】

Endless SHOCKは空飛んで、刀振り回して殺陣やって、血塗れで階段落ちて、和太鼓叩いて、歌って踊る……だけではない(エンターティメントとしては充分だと思うけど)きちんと物語が流れている舞台であることをわかっていただきたく、大まかなあらすじを書きました。なお登場人物の心情についてはすべて私の勝手な想像によるものです。どうか先入観を抱かず、素直に観ていただきご自身で感じたことを大事にしてください。壮大なネタバレとなりますのでお読みになる場合はご注意を。


相関図
相関図A.jpg

Story
【一幕】
ニューヨーク。オフブロードウェイのとある劇場。舞台への並外れた情熱と才能に溢れたスター、コウイチ率いるカンパニーが連日ショーを開催していた。今日はその千穐楽公演。アクシデントをものともせず今日も「Show must go on」を合言葉に無事に公演を終える。
千穐楽公演後の楽屋ではオーナー、スタッフ、キャストが笑顔でショーの成功を喜び合う。しかし常に新しい刺激を求め、最高の舞台を作りたいコウイチはもうすでに次のショーについて構想を練っていた。芝居の原点であるシェイクスピア劇をやってみたいという。だがカンパニーのNo.2であるタツヤは「俺たちの目指しているものは華やかなショーだ、観客もそれを観に来ている」と反対する。いつかオンブロードウェイのステージに立ちたいタツヤと、いいステージが作れるなら場所はどこでも構わないコウイチ。舞台への想いが熱く暴走しがちなツートップを「焦って答えを見つけることはない。どんな作品でも私は協力する」とオーナーは温かい言葉と眼差しで取りなす。

翌日は久しぶりの休日。メンバーは英気を養い、自己研鑽のためにオンブロードウェイへ行く。そこで彼らはカンパニーのショーが絶賛されているコウイチの写真入りの新聞を手にする。オンブロードウェイへの道が拓かれたと盛り上がるメンバー。そこにオーナーが現れ、先日のショーを観に来ていたエージェントからオンブロードウェイにある「インペリアル・シアター(日本語でいうと帝国劇場)」から誘いがあったことを告げる。実力が認められた!ようやく俺が脚光を浴びるときが来た!と沸き立つタツヤ。だがリカは「オンの舞台に行けるのはすべてコウイチのおかげ」と無邪気に言う。カンパニーメンバーからリスクペクトされ、オーナーから全幅の信頼を受け、そのうえリカまでもがコウイチコウイチコウイチ……オンに行っても二番手に甘んじなくてはならないのかとタツヤは面白くない。一方のコウイチはいいショーが作れるならどこだっていいと意に介さない。しかしそれでもカンパニーのためになるならとオンブロードウェイの劇場でショーを開催することを決める。ただひとつ。カンパニーメンバーの気持ちがバラバラになっていることに不安を感じながら・・・・・・。

半年後、インペリアル・シアターではカンパニーの新しいショーが開催されていた。浮き沈みの激しいオンブロードウェイでの連日の公演はハードなものだったがまずまずの成功を収めていた。そんなある日、旧劇場のオーナーが来場していた公演で事件が起きる。「SOLITARY」という演目の途中、機構トラブルでタツヤがステージに出ることが出来なくなってしまったのだ。しかもそのシーンはタツヤとリカがメインで踊るという、タツヤの見せ場でもあった。コウイチは咄嗟にステージ場で自分がタツヤの代わりにリカと踊ることを告げ、他のメンバーにはいつも通りの動きをするよう指示する。「SOLITARY」は観客にトラブルを気付かれることなく無事に終わる。そしてステージは幕間休憩に入った。
メンバーから「SOLITARY」のラストが暗すぎないか」とコウイチに提案があるが、コウイチは「その分二幕のジャパネスクがハッピーエンドだから大丈夫」と笑う。と、そこにものすごい剣幕でスタッフのミスを叱り飛ばすタツヤの声が聴こえてきた。
「見せ場を潰された」と怒るタツヤ「どんなことでも対応するのがプロ」とコウイチ。「同じクォリティのものを常に見せるのがプロ」とタツヤ。「もっと周りを見ろ。ショーを続けるために踊っていたって歌っていたって周りが見えてなきゃだめだ」とコウイチ。ふたりは激しく対立する。すれ違ったふたりの気持ちは修復できないまま無情にも二幕開演のベルが鳴った。

二幕は「ジャパネスク」と題して、日本刀(模造刀)を手にショー要素がふんだんにはいった殺陣が繰り広げられる。タツヤ率いる革命軍とコウイチ率いる制圧軍の対決だ。まるでそれはカンパニーにおけるコウイチとタツヤの関係のようだった。ふたりの闘いはヒートアップしショーの範疇を超えていた。そんな中、コウイチの刀がタツヤの刀をはじきとばす。刀のない自分とどうやって闘う?これでショーを続けられるものならやってみろよと不敵な笑みを浮かべるタツヤ。そこに慌ててメンバーのひとりがコウイチの元に駆け寄り予備の刀を差しだす。差し出された鞘から刀を抜いた瞬間、コウイチの顔色が変わる。渡された刀は本身の刀だったのだ。コウイチは一瞬ためらうがその本身の刀を階段に突き刺し、タツヤに「抜け」と迫る。腰が引けるタツヤを煽るコウイチ。舞台の鬼と化したコウイチに圧倒されたタツヤはついに刀を抜き、鬼に向けて刀を向ける。そして鬼=コウイチを刺してしまう。本身の刀に貫かれながらもコウイチは執念でラストシーンを演じ切る。
が、その直後、コウイチの意識は遠のき、階段から転がり落ちて行く。

二幕へ続く…