ブログペット劇場『俺たちキンキキャッチュー!』(結)

「奏!?」


ボクはあまりにも楽しくて、それに酔ってしまって、上の空で歩いていたらしい。

そこに段差があることに気付かず、足を踏み外してしまったのだ。あまりにも突然のことで、びっくりして、声も出なかった。

「立てるか?」
「うん……」
「大丈夫ですか?」
都会の美猫ちゃんたちが心配そうに声をかけてくれた。都会猫は高慢で冷たいって聞いていたけど、そんなことなかった。みんな親切で優しかった。
「大丈夫です。ありがとー」
ボクはゆっくり立ち上がった。でも少し痛みがある。
「足、動くか?」
「…うん…」
「ほな、骨折はしてへんな。きっと明日あたり、腫れて内出血するかもしれん。びっくりするやろうけど、心配いらんで。じっとしとったら、おさまるからな」

はぁ…それにしても………。

「素敵な一日のオチがこれだなんて…」
「お、うまいな♪座布団やろか?」
「え?」
落ちたことと、オチをかけてんやろ?」
「え?あ…へへへへ♪」

ん…まぁ、そういうことにしとこーかなー♪

で、思った。たった一段、足を踏み外しただけで、こんなにびっくりするし、痛いのに、光一さんは、ほとんど毎日、もっと高い位置から、階段落ちしているんだよね…。


やっぱり、すごい人だ……。


そして、ボクたちはお別れの時間を迎えた。
「ほな、気ぃつけて帰りやー」
「うん…ドーモっちゃんもね…」
「また遊ぼなー♪」
「うん、あ、ドーモっちゃん!」
「ん?」
ボクは来たときと同じようにドーモっちゃんをハグした。まわりにいた人たちは驚いてこっちを見ていた。
「だから、いきなりなんやねん!?びっくりするっちゅーに!? 」
「へへへへ♪」
まぁ、なんというか。これがボク流の愛情表現ってやつ?
「じゃぁーまた」
「うん、またね。ばいばーい♪」
ボクはバイバイした後も何度も振り返った。まぁ、それは猫族の習性なのだが…。
でもハムスターのドーモっちゃんには振り返るという習性はないようで……。

そこにドーモっちゃんの姿はもう、なかった。


また、逢える。


そう信じているから、彼のバイバイは、いつもあっさりなのだ。

ボクも信じている。

きっとまた逢える……。



おわり

※この物語は一部フィクション、ほぼノンフィクションでお送りしました

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