アンダルシアに憧れて 82 コーイーチ 今夜も全席完売となった。 アコースティックライブなので立ち見席はない。だから、いつもより客席数は少ない。それでも満員にするというのは、なかなか出来ることではない。ENDLICHERIの力をあらためて感じた。 カウンターの売り上げをまとめて、金庫に移し変えていた時だった。俺の背中に聞き覚えのある声がかけられた。 「繁盛してい… トラックバック:0 コメント:6 2006年05月30日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 81 コーイーチ 自分の城に入るのに何をこんなに緊張しているのだろう? こたえは簡単だ。 まず、今朝のことを彼女にあやまらなければならない。それと明日、お見合いという名を借りた会談に出席することを伝えなければならない。そして、それにかこつけるわけではないが、『大事なお話』をすることを決めたからだ。それから、ツヨへの謝罪と今夜のアコースティック… トラックバック:1 コメント:6 2006年05月29日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 80 コーイーチ 次のドンはお前だ。 頭の中をぐるぐるとその言葉だけがまわっていた。張り飛ばされた時に頭を打ってしまったのだろうか? 俺の聞き間違いかもしれない。その証拠に、そんな大事な話をしたにもかかわらず、ドン・ノリーニョもジュン・イッチ氏もあっという間に部屋を出て行ってしまったではないか。俺はやっと落ち着きを取り戻した。すると急に頬が熱っぽく… トラックバック:0 コメント:4 2006年05月28日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 79 コーイーチ 朝食会のあと、俺はドンに呼び出された。言い訳無用のお小言が待っているかと思うと、憂鬱だった。 「コー、店の方は順調だそうだな」 「えっ…あ、はい、おかげさまで…」 てっきり怒られるものだとばかり思っていた俺は、拍子抜けした。 「お前がいなくても十分まわるんじゃないのか?」 「いや…それは…」 確かに俺がファミリーの仕事で… トラックバック:0 コメント:5 2006年05月27日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 78 コーイーチ 彼女といると自由になれる。 居心地が良く、自宅へ戻るのが嫌になってしまう。けれど、俺がここに居ついてしまうと、ツヨの行く場所がなくなってしまう。彼女をジャニーの家に迎えられればいいのだが、それには多くの手順をふまなければならない。いや、その前に彼女自身が家に来てくれるかどうか…(えーと、それは、すなわち……んーまぁ、そういうことだ… トラックバック:0 コメント:5 2006年05月26日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 77 ツヨーチェ 「こんな塀くらい、恋の翼でかるく飛び越えました。石垣などでどうして恋を締め出すことができましょう。力のおよばぬことなら知らず、できることなら、どんなことでもしてみせる。それが恋というものです」 というのは、『ロミオとジュリエット』のロミオのセリフやった。 ジュリエットの家も石垣の塀に囲まれていた。でも、俺はそれを飛び越さず(… トラックバック:0 コメント:5 2006年05月25日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 76 ツヨーチェ そして車は夜の街を走り出した。 こうして女性とふたりきりで車に乗るなんていうことは、今までに何度も経験しているはずなのに、なぜか緊張していた。何もしない(できない?)ということが、こんなにしんどいなんて、思いもしなかった。なんとか共通の話題をと考えに考え抜き、あの本のことを持ち出した。 「本…のことなんやけど」 「本?」 「… トラックバック:0 コメント:5 2006年05月24日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 75 ツヨーチェ えぇっ!? 君、こんなところで何してんのっ!? 見慣れた部屋のいつもの食卓についていたのは、あのジュリエットやった。彼女は俺の姿を見るなり、立ち上がった。 「大丈夫? そんな急に立ち上がったりして…」 姉貴が急いで彼女のそばに駆け寄った。 「はい…もう大丈夫です」 「えっ? あの、これ、どういうこと?」 俺はさっぱり、わ… トラックバック:0 コメント:5 2006年05月23日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 74 ツヨーチェ ライブの噂は瞬く間に広がったようで、連日、店の前には長い列が出来ていた。 そして今夜もステージの幕が開く。コーは急にファミリーの仕事が入り、今夜はステージに出られない。そこで今夜は『闇喰Wind』をセットリストから外し(あれはふたりが揃っていなければ、成り立たない!)、代わりに1曲、ダンサーのために別ナンバーを入れ、さらにヴォーカ… トラックバック:0 コメント:5 2006年05月22日 続きを読むread more
アンダルシに憧れて 73 ツヨーチェ タヒチさんの家ではひと晩中、音楽の話をしていた。 めちゃくちゃ楽しかった。おかげで出会った直後にさよならという哀しい出来事を忘れることが出来た。しばらくここにいたかったけれど、タヒチさんにも予定があると思った俺は、朝が来ると早々に引き上げた。今日は「Sea」の定休日でもあるので、このまま、まっすぐ家に帰ってもいい。せやけど、ふたり… トラックバック:0 コメント:4 2006年05月21日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 72 コーイーチ ~★ 休日前特別プログラム ★~ 本日、大人向け深夜放送仕様となっております。ご注意下さい。 誰かが俺の名前を呼んでいた。 「コー、コーってば…」 ちょっとハスキーな、朝いちばんに聞くには少々、刺激のある艶っぽい声。でも、もう少し、聴いていたい……出来ればもっと、近くで……。 「コー……コー、起きて…」 … トラックバック:1 コメント:5 2006年05月19日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 71 ツヨーチェ すぐに次の曲のイントロが流れた。 ジャズのスタンダードナンバー『イッツ・オンリー・ア・ペーパームーン』。ボイストレーニングのレッスンで歌ったものやった。ビッグバンドで歌うなんて、はじめてやったけど、やはり本物はスイングが違う。めちゃくちゃ気分が良かった。月も顔をのぞかせて、雰囲気もばっちりや。と、不思議なことに観客たちが体を揺らし… トラックバック:0 コメント:6 2006年05月18日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 70 ツヨーチェ <前回のお話> コーの店『Karma』の新装開店ライブ“ENDLICHERI★NIGHT”は大成功に終わった。その夜、『Karma』の仲間たちの粋な計らいも手伝い、コーとカルメンはやっとお互いの気持ちを確認しあう。一方ツヨーチェは姉・カルメンの幸福を喜びつつ、いいようのないさみしさも感じていた。そんなツヨーチェをバンドメンバーのタヒチ… トラックバック:0 コメント:3 2006年05月17日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 69 ツヨーチェ ようやく、窓の灯りが消えた。 と、道をへだてたところで小さな拍手がわいた。ダンサーとバンドメンバーはいったん店を出た振りをして、実はずっと道の向かい側から、その瞬間をいまかいまかと待っていた。灯りが消えずにコーが出てきたら、今夜は再び作戦会議に突入。消えれば作戦成功で祝賀会へと流れることになっていた。俺は、祝賀会は別としても、さす… トラックバック:0 コメント:6 2006年05月04日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 68 コーイーチ これが今夜のラスト・ダンス・・・。 真っ白なステージの上。 衣装はいらない。 月光を浴びて ふたりきり 夜明けまで踊ろう。 彼女が選んだ曲は『 I 』……。 「抱いて 抱いてよ 壊れるほどに もうひとりにしないで」 過去のことなんて 全て忘れてしまえ 俺との未来だけ 見ていればいい 「夢… トラックバック:1 コメント:5 2006年05月03日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 67 コーイーチ 俺と一緒に夢を見ないか? ……なんて、言えるわけないだろぉっ!? 着替えを済ませ、店の鍵を閉めながら思う。 ……お疲れ様のひと言だけでもかけて帰った方がいいよな……。 俺はゆっくりと階段を上った。部屋の前で一度、深呼吸し、気持ちを整えてからノックをする。「はーい」という声とともに、ドアが開いた。俺は彼女の目の前に花束を… トラックバック:0 コメント:5 2006年05月02日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 66 コーイーチ 大成功……だったのかな? 大盛況の中、ライブが終わった。外に出て最後の客を見送り、すがすがしい気分で店へ戻ろうとした時だった。 「この野郎め!せっかくいいところだったのに横取りしやがって!」 と、後ろから大きな腕が俺の首を絞めた。 「ったく、あんたって奴はいったい何を考えているんだ?」 「当てたら腕を離してやる」 「俺を… トラックバック:0 コメント:5 2006年05月01日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 65 ツヨーチェ それはまるで、歌劇『カルメン』のワンシーンようやった。 「何が何でもコーをステージにあげる」 これが今日の『Karma』カンパニー出演者一同の極秘任務やった。コーに、俺のお披露目ライブなどと言われ緊張していたものの、この秘密の企みのおかげで気が楽になり、俺は伸び伸びと歌うことが出来た。コーの驚く顔が見られると思うとそれだけで楽し… トラックバック:0 コメント:5 2006年04月30日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 64 コーイーチ 本日はお忙しい中『Karma』まで足をお運びいただきまして、誠にありがとうございます。 本来、予定にはなかったのだが、こんな格好をしているものだから、誰もがそれがあって当然という顔をして待っている。何を話そうか…と直前まで悩んでいたが、挨拶と女性のスカートは短い方がいいと聞いた事がある。 「それではENDLICHREI★NIGH… トラックバック:0 コメント:4 2006年04月29日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 63 コーイーチ トモニャから預かった(奪い取った)薔薇の花束を抱えて楽屋へ向かう。 こんなもの捨ててしまっても構わないのだが美しい花に罪はない。それに楽屋を訪れる口実にもなる。俺はまだ彼女が衣装を合わせた時の姿を見ていない。マーチンの奴が補正中だとかなんとか言って見せてくれなかった。(まったく、あいつは!)いくら何でも今日は完成しているだろう。た… トラックバック:0 コメント:4 2006年04月28日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 62 コーイーチ 今夜、進化した『Karma』の幕が開く。 『Karma』新装開店の日が来た。施工業者や出入りの酒屋、組合に入っている店から、祝儀や花が次々と店に届く。艶やかな花たちが我こそが主役とだ競い合っていた。しかし、さきほど届いた花の出現により、その勝負はついた。他を寄せけない存在感で圧勝したのはJ・Fから送られた黒薔薇(実際はビロードの質… トラックバック:0 コメント:4 2006年04月27日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 61 コーイーチ 腹が減ったーっ! 何か食わせろーっ! 「みんな、そろそろ、締めにしないか?」 このマボのひと言がなければバンドメンバーやダンサーたちは、ここで夜を過ごしていただろう。それほど熱の入ったセッションをしつこいほど続けていた。 「気をつけて帰れよ」 と、みんなを送り出し、店の鍵を閉める。 「コーっ。早よ飯、食おうやぁ~♪」 … トラックバック:0 コメント:5 2006年04月26日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 60 コーイーチ ほんの少し昔、ここよりずっと東の大陸にエルドラドという小さな独立王国があった。 その国は『神が集う国』といわれるほど、土地や気候にめぐまれ、美しく富んだ国であったそうだ。なぜ過去形なのかというとクーデターが起き、それを鎮圧するために介入した隣国に半ば乗っ取られるような形で消滅してしまったからだ。後にわかったことだがクーデターとはで… トラックバック:0 コメント:4 2006年04月25日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 59 コーイーチ タッキーは大きな拍手を送っていた。 ひと通り歌い終えたバンドメンバーにタッキーは感嘆の声をあげていた。その熱気のせいか、彼の眼鏡は白く曇っていた。 「タッキー、これじゃ見えないだろう」 俺はふざけて、彼の眼鏡を外した。 ほぉぉぉぉーっ♪ 紅顔の美少年とは彼のことをいうのではないだろうか? 「か、返して下さい!これ… トラックバック:0 コメント:6 2006年04月24日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 58 コーイーチ そのまま、彼女の手を引いて階段をおりて行く。 その後ろにツヨとタッキー、ダンサー、バンドメンバーがぞろぞろと狭い階段を降りて来る。俺と彼女はつないでいた手をほどき、鍵を取り出した。いっせいに指笛と拍手が沸き起こった。早く開けろと急かしているのだ。 「では……」 と、やや、もったいぶって鍵をまわし、ドアを開いた。フロアに入る前に… トラックバック:0 コメント:4 2006年04月23日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 57 コーイーチ ところで…彼女はどうしたんだ? ツヨーチェにつづいてバンドメンバー、ダンサーチーム、ケンシロウをタッキーに紹介する。 「これがお城の…いえ、『Karma』のみなさんですね?」 本当はもうひとり、姫(…と、いうほどしおらしい女ではないが…)が、いるのだけれど…どうしたんだろう?なぜ、降りてきてくれない?やっぱり俺のことなんか、ど… トラックバック:0 コメント:6 2006年04月22日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 56 コーイーチ 『KAT-TUN HOUSE』を出たとたん、タッキー・ザワはしゃがみこんだ。 「どうした?」 「すみません急にめまいがして」 元々、白い彼の顔は青白く、唇の色は冷めたものになっていた。五人を相手の大立回りと極度の緊張で、精も魂も尽き果てたのだろう。 「運転は俺が代わろう」 「いいえ。少し休めば大丈夫ですから」 「無理する… トラックバック:0 コメント:5 2006年04月21日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 56 コーイーチ 扉が開き、ダークスーツにボルサリーノ姿のスタッガリーが入ってきた。 タッキーがすぐさま、銃口を彼に向けた。 「タッキー、銃をおろせ」 「しかしコー様…」 俺も彼も、スタッガリーが後ろにひとり、青白い顔をした若い男を従えているのを見た。しかも右手を抱えるようにしている。タッキーは彼が拳銃を隠し持っているとでも思ったのだろう。し… トラックバック:0 コメント:5 2006年04月20日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 55 ツヨーチェ コーがまだ戻って来ないらしい……。 配達から戻ってきたアッキーさんが洗い物をしていた俺のところにやってきた。 「親父が、コーなら昼過ぎにはここを出たっていってたけど…ツヨ、何か聞いているか?」 「……ファミリーの方に行かなきゃあかんって、いうてたけど……」 「あ、そっかぁ! そりゃ、そうだよなぁ。警察に事情聴取を受けたとなる… トラックバック:0 コメント:3 2006年04月19日 続きを読むread more
アンダルシアに憧れて 54 コーイーチ 「……の仇だ!覚悟しろ!」 そう叫びながら、ひとりの男がギラリと光るもの手に飛び込んできた。が、いち早くタッキー・ザワがその男を捕らえた。そして相手の喉元に腕をまわし、締め上げた。苦しいのか、男は必死になってその腕を外そうとしている。タッキー・ザワ、華奢に見えて意外と力があるようだ。 「やるじゃないか」 俺はタッキー・ザワを労… トラックバック:0 コメント:5 2006年04月18日 続きを読むread more