テーマ:アンダルシア

アンダルシアに憧れて ~ エピローグ ~

俺は歌う。 コーという男の歌を コーと出会った この地で この場所で 俺は歌い続ける。 アンダルシアに憧れて 薔薇をくわえて踊ってる 地下の酒場のカルメンと 今夜メトロでランデブー いつものように、姉貴が教会で祈りを捧げている間、俺はコーと出会った公園でギターを手に歌っていた。…
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アンダルシアに憧れて 111 ツヨーチェ

そして、二年の月日が流れた。 あの後、数回に及ぶ捜索が行われたが、コーの遺体はどこからも見つからなかった。 また警察の調べによると、あの殺し屋を撃った銃はその弾創から、コーの所有していた銃とは異なるものである事が判明した。つまり、誰か別の人間があの場にいて、狙撃したと考えられるそうだ。もし仮に第三者がいたとすると、それは相当な腕…
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アンダルシアに憧れて 110 ツヨーチェ

コーの声が聴こえた。 長い一発の銃声と大きな水音、そして、コーの声が聴こえた。 カナラズ ユクカラ ソコデ マッテ イテクレ 「コーっ!!!!」 「ツヨーチェ、伏せろっ!」 立止まった俺をトモニャ警部補がその大きな体の下に引き込んだ。と、けたたましいサイレン音と無数の赤い光が近づいてきた。それまで闇の中…
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アンダルシアに憧れて 109 コーイーチ

アンダルシアに憧れて…… 俺を襲ったあの男がそこに立っていた。 俺は銃を構えた。 だが、引き金をひけなかった。 そいつの顔にさっきのタクシーの運転手、殺されたチンピラ、マーチンの父親、そしてたくさんのJ・Fの仲間、スタッガリーとの抗争で命を落としていった人間の顔が重なった。 こんなこと もう 終…
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アンダルシアに憧れて 108 ツヨーチェ

車は猛スピードで港への道を走っていた。 異様な緊張感が漂う中、警察無線がバリバリと音を立てて入り込んできた。 「全車両に告ぐ、全車両に告ぐ。J・Fのツバサーロ・ジャニーをスタッグ通り283番地にて、パトロール中の警官が身柄を確保…繰り返す、J・Fのツバサーロ・ジャニーの…」 「ツバサ!」 「身柄確保か。安心しな、弟は…
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アンダルシアに憧れて 107 コーイーチ

アキラニオはどこに行ってしまったのだろう? 時間ぎりぎりまでアキラ兄の立ち寄りそうな場所を探したが、その足跡は全く見当らなかった。もうすでに街を出てしまったのだろうか? 1000万KinKiという金、つくるのは大変だが、使うのは容易い。あれを元手に何をはじめるつもりなのか。だいたい彼にこの仕事以外の何が出来るというのか…。 …
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アンダルシアに憧れて 106 ツヨーチェ

コーを連れ戻すんや! コーが以前、「彼女には見えていたのかもしれない」と、洩らしたことがあった。俺に特殊な力が与えられているように、同じENDLICHERIの血を引く姉貴にも何か特別な力が授けられているのかもしれない。 「姉ちゃん、他に何が見える?」 姉貴は首を振るだけで、何も言わない。 「なぁ、もっと具体的な場所とか、今、…
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アンダルシアに憧れて 105 ツヨーチェ

すると、どうしたことだろう……。 姉貴の背中から、目も眩むような黄金の光が放たれた。ちょうど太陽が傾き、教会の窓と重なったようだ。だが、おだやかな西日のはずのそれはだんだん強くなり、目を開けていられないほどまでになった。 「心して聴け! 即刻、ここを立ち去るのだ! さもなければ、今すぐ地獄へ落とす。お前は血の海、お前は炎の森、お…
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アンダルシアに憧れて 104 ツヨーチェ

コーは行かない。奴らの元へ行かない。俺と一緒に教会へ行く。教会へ行く。教会へ…。 「ツヨ、おい、ツヨ、どうした?! 」 コーが俺の肩を揺さぶった。 「……コー、早く教会へ…」 「ツヨ。お前にしか、頼めないことがある」 「?」 「教会にいる彼女に伝えてくれ」 「!」 人の心を思い通りに動かすことが出来る、とい…
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アンダルシアに憧れて 103 ツヨーチェ

街はいつもと何も変わらず、むしろ静か過ぎるほどだった……。 俺は姉貴の結婚式と今夜のライブのことで頭がいっぱいだった。観客は何も知らないが、今夜はコーイーチ・ジャニー、オン・ステージとなる。オープニングからエンディングまで、ずっとステージに立ち、歌って踊ってもらう。コー&カルメンのジャニー夫妻、結婚してはじめての共同作業となる『闇…
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アンダルシアに憧れて 102 コーイーチ

携帯電話が見慣れぬ番号の着信を知らせた。 ノリ兄の担ぎこまれた病院からかもしれない。俺はその電話を受けた。ジュン・イッチだとばかり思っていた受話器の向こうの声は、 「コー兄? 」 ツバサーロだった。 「ツバサ! お前、今、どこにいるんだ?」 「コー兄…ごめん、ごめんね…」 その後は泣きじゃくるばかりで、声にならな…
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アンダルシアに憧れて 101 コーイーチ

結婚式の時間が刻一刻と近付いてきた。 ニッキー氏からノリ兄への支援というのも、実は大きな病院での治療費を意味するものだったらしい。しかしドンが不在とわかると野蛮な奴らがここぞとばかりに狙ってくる。俺の不始末のせいでノリ兄の治療はますます遅れることになってしまった。このまま病身のノリ兄を置いて、ひとり、のうのうと暮らしていいものだろ…
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アンダルシアに憧れて 100 コーイーチ

この街を出てゆく日が来た。 胸にひろがる漠然とした不安と、拭えない黒い染みの正体は一体何なのだろう…。 俺は生まれ育ったこの街を旅行以外の目的で出たことがない。 ましてや、はじめて訪れる場所で新しい生活をスタートさせたこともない。 そこに永住することになるのか再び流転の生活となるのか、あるいは万事片付いて、生まれ育った街…
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アンダルシアに憧れて 99 ツヨーチェ

本日はお招きありがとうございます。チチ上さま……よろ×××……! 今日はミスター・ニッキーのご自宅に招かれ、ジュリエットと俺と三人で食事をした。玄関に入るまではとにかく緊張した。でもまぁ、ニッキー氏は大爆笑してくれたし、喜んでくれたみたいやったから……何とか1st STAGEは攻略できたんやないかなー?と思う。 ジャニー家と…
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アンダルシアに憧れて 98 コーイーチ

今夜はVelvet★Night です。 ツヨが店に戻ったあと、ノリーニョから電話があった。ニッキー氏から正式に縁談について断りの返事があったそうだ。組織の日常というものを目の当たりにし、大事な娘をこんなやくざな男にやるのが恐ろしくなってしまったのだろう。 「ノリーニョ。俺も決めたから」 「何をだ?」 「カルメンと一緒になりま…
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アンダルシアに憧れて 97 ツヨーチェ

俺たちは息を潜めて、成り行きを見守っていた。 コーはまるで扉にキスするかのようにぴったりと体を寄せて、深くて艶のある声で語りかけていた。優しく、熱く、激しく、その想いを伝えていた。 「愛している」 コーがその言葉を口にしたとき、それまで、ぴくりとも動かなかった部屋の扉が開いた。 中から姉貴が飛び出してきた。 コーは…
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アンダルシアに憧れて 96 コーイーチ

彼女の声が聴こえた。得体のしれない大きな力が俺に与えられた。 俺はアキラニオの足をつかみ、引き倒した。その先には俺の手を離れた銃が転がっている。アキラニオは銃に手を伸ばした。させまいと、俺はその体を押さえつける。が、アキラニオも必死だ。まるで汚いゴミがついているかのように足払いをする。そのうちのひと蹴りが俺の肩を直撃した。ほん…
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アンダルシアに憧れて 95 ツヨーチェ

携帯電話を持つコーの手が震えていた。姉貴に何かあったのかもしれない。 「タッキー、急げ、もっとスピードを上げるんだ」 「はい」 タッキーさんはアクセルをふかし、前をとろとろと走っていた車を追い越した。 「コー、どないしたんや? 姉ちゃん、出たんとちゃうんか?」 「…あいつ…くそぉっ」 コーは拳で助手席の背を思いっきり拳で…
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アンダルシアに憧れて 94 コーイーチ

いつまた、さっきの男が現れるか知れないので、念のため正体を隠すこととなった。 ドンの指示に従い、俺とタッキー、ツヨーチェは彼らが無事ホテルを出たことを確認したあと、つなぎの作業服にキャップという、ホテルのメンテナンス員に変装し、業務用エレベーターに乗り込んだ。ジュン・イッチ氏の携帯電話に入った情報によると、どうやら襲ってきた男はプ…
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アンダルシアに憧れて 93 コーイーチ

俺を先頭にタッキー、そしてツヨの順に頭を下げて部屋に入った。 まず目に飛び込んできたのはベッドで横になっているジュリエットの姿だった。無理もない。これまでまさに深窓の令嬢として育てられてきたというのに、いきなりあんな危険な目に逢ったのだ。心身ともに疲れ果ててしまったのだろう。こんないたいけな少女に組織トップの妻の座がつとまるとは、…
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アンダルシアに憧れて 92 ツヨーチェ

こんな組織、つぶれてしまえばいい……と、思った。 「タッキー、それを」 タッキーさんは大事に抱えていたアタッシュ・ケースをドンのお付きの方に渡した。 「お前たちはそこで待っていろ。呼ばれるまで入るな」 ドン・ノリーニョは俺たちに向かってそう言うと、ジュリエットを連れて部屋に入った。 「タッキー、鞄の中味、あれは一体、何だ?…
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アンダルシアに憧れて 91 コーイーチ

背中に感じた殺意。その正体は……。 俺の肩をつかんだのはツヨだった。なぜツヨは俺がここにいることがわかったのだろう? カルメンが話したのだろうか? いや、それなら「彼女を離せ」とは言わないはずだ。 が、そんな推測をしている間はなかった。俺の目に黒い服の男の姿が飛び込んできたからだ。おそらくゆうべ、俺を襲ってきた男に違いない。…
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アンダルシアに憧れて 90 ツヨーチェ

ゆうべのことが気になって、すっかり陽が昇っても姉貴をひとりにしておくことが出来なかった。 でも、彼女を迎えに行くと約束したからには何が何でも行かねばならない。ごめん!姉貴! テーブルで請求書と仕入れ台帳とにらめっこしている姉貴に声をかけた。 「なぁ……姉ちゃん」 「なに?」 と、顔も上げずに返事をする。 「……コー、…
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アンダルシアに憧れて 89 コーイーチ

Anniversaryホテルの歴史は古く、由緒ある建物だった。 空港建設に伴い、近代的なビジネスホテルが乱立する中で、Anniversaryホテルの古風な佇まいは、目に心に優しさを与えてくれる。今日の食事会は1階のレストランで行われる。ホテルにありがちな堅苦しさはなく、カジュアルな雰囲気で食事が出来る場所だ。ディナーはコースが主流…
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アンダルシアに憧れて 88 ツヨーチェ

彼女のKissは幸運を呼ぶ。 今宵は嫉妬深いという月の女神が早々にお休みになったようだ。おかげで俺は、闇夜にまぎれて屋敷を抜け出すことに成功した。 明日はハードでハートな一日になりそうや。Anniversaryホテルへ行って、彼女の婚約者という奴から彼女をさらったら、その足で教会へ駆け込もう。誰にも内緒で、さっさと式をあげて…
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アンダルシアに憧れて 87 ツヨーチェ

今宵はRomantic★Nightと銘打ってお届けします♪ メアリーさんは秘密の抜け道を教えてくれた。そこを通れば、おそらく誰にも見つからず、彼女の部屋の下まで辿りつけるのだそうだ。 「あっ! 痛たたっ!」 確かにこんな道、うさぎぐらいしか通らんやろうなぁ…。秘密の花園といえばきこえはいいが、その実、野生の薔薇の茂みだ。温室で…
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アンダルシアに憧れて 86 ツヨーチェ

哀しくてたまらなかった。 どんなにがんばっても、力をつけても、俺らは生まれ故郷をなくした、流れ者としか見てもらえないのだ。常に見下され、夢や希望を見ることすら許されない。 目の前にはただ、ビロードのような闇が広がっていた。 無性にジュリエットに逢いたかった。彼女はそんな人じゃない。俺をひとりの人間として見てくれている。…
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アンダルシアに憧れて 85 コーイーチ

結局、その日のアコースティックライブは取りやめになった。 金を渡すと、意外にもアキラニオは素直に店を出て行った。だが、それだけでは店を覆っている淀んだ空気は変わらなかった。ツヨは自分の歌でなんとかすると言ったが、こんな状況で歌を聴かせるのはお客様に申し訳ない。それに、いつまた奴らが店を襲撃してくるかしれない。客を危険な目に合わせる…
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アンダルシアに憧れて 84 ツヨーチェ

ふたりは、カウンターに並んで座っていた。 アキラニオは姉貴の肩に手をまわし、耳元に口を近付けて何かを囁いていた。何を言われたのか姉貴はくすくすと笑っていた。でもそれは、いやらしい不快さしか与えない光景やった。 「おい、ここで何しとんねん」 「何って…一緒に酒飲んでるだけだよ、なぁ?」 「ツヨ。お客様に対して、その言葉遣いは失…
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アンダルシアに憧れて 83 ツヨーチェ

まったくもぉ、勝手にせぇっ!ちゅう感じやな、そう思わん? 今朝、コーに会うたとたん、いきなり「夜遊びが過ぎる、節制しろ!」って、言われてん。 何やねん、それ?って、話やんか? で、姉貴も機嫌悪いっていうか、いらついてるし? あ、これは何かあったな? って思ったわけ。 もぉー頼むから、ふたりのことはふたりで解決せぇや?  …
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